網走市教委は、2028年に西小と中央小を統合するなどとした基本案をまとめ、5月29日には保護者を含めた地域住民を対象にした説明会(意見を聞く会)を開催しました。参加者からは市教委の考えに不満な声が多数寄せられました。また、当日は大手新聞社と地元フリーペーパー記者が取材に訪れましたが、市教委は当初、「非公開」の姿勢を示しましたが、報道陣からの抗議を受け、公開に切り替える事態に。市教委の非公開にこだわる姿勢にも批判の声が寄せられています。
質問、相次ぐ
網走市教委は、進む少子化と学校の老朽化などを踏まえ、2035年度には市街地に小中一貫の義務教育学校を2校にする基本案をまとめました。手始めに、2028年度には西小を中央小に統合する構想であるため、5月29日の説明会の参加対象は、「西小、中央小、二中の保護者、地域住民」としたようです。

5月29日の説明会では、同市教委がまとめた基本案について担当職員から説明がありました。説明資料の内容はボリュームがあるため、今回の記事ではその詳細には触れませんが、市教委が示した3つの基本案すべてで、「2028年度に西小を中央小に統合」としています。
参加者からは、さまざまな意見・質問が寄せられました。午後6時半に始まった説明会ですが、終わったのは午後9時近く。対象保護者らの疑問、不信感がいかに多いかを知れた”長丁場”の説明会でした。
ビジョンなし
5月29日の説明会で参加者から寄せられた質問の中に、西小が中央小に統合されるまでの2028年度までに、「両校の児童が交流する場を設ける考えがあるのか」などといった素朴な疑問がありました。
こうした質問に対して、網走市教委の回答は「そうしたビジョンは今のところ持っていない」でした。
この回答を読み解くと、網走市教委は「西小を中央小に統合することが最大の目的で、両校の児童の心情にはさほど配慮していない」となってしまうような気がします。

取材した地元記者は、説明会の席上で木野村教育長に対して、「西小を中央小に統合することで、どのように”質の高い教育”を展開するのか。教育長の考えを聞かせてほしい」と質問したそうです。
地元記者は「木野村教育長は『子どもをまん中にした教育をする』などとした抽象的な説明に固執していました。2035年には市街地2校にするための第一歩である西小と中央小の統合であるにもかかわらず、木野村教育長は現時点においても”質の高い教育”の具体的ビジョンを持ち合わせていないことが明らかになりました」と落胆していました。
報道陣が抗議
5月29日の説明会には、約40人が参加。開催前、同市教委は「事前申し込み者は9人だけ」と楽観視していたようですが、申し込みをせずに当日参加した市民は30人ほどいたようです。関心の高さを垣間見た結果となりました。
説明会の当日、大手新聞社と地元フリーパーパーの記者2人が取材に訪れました。
2人の記者は事前に市教委に取材申し込みをせず、”突撃取材”を敢行したようです。2人は当日、会場(市内エコーセンター)入口の受付で、取材に訪れたことを説明したところ、担当職員から「説明会冒頭の20分間だけ会場内の滞在を許可し、その後の質疑応答は退席してほしい」と説明されました。つまり、説明会は”非公開”である、ということです。
なぜ非公開なのか?
こうした市教委の対応に、2人の記者はその場で非公開とする明確な理由を問いただしました。市教委の担当部長は「報道陣が会場にいると参加した市民が意見を言いにくくなってしまうから」との回答。つまり、「非公開とするのは、市教委の一方的な考えではなく、市民感情に配慮したため」ということで、「我々、市教委は非公開にこだわっていない」ということです。
市教委に公開を求めた地元記者は「結果的には市教委に参加者に報道陣が会場にいてもいいか確認を取ってもらったところ、異論はなく、取材を続けることができました」と教えてくれました。
取材は許可されたものの、市教委の担当職員は不服だったらしく、大手新聞社の若い記者に対して横柄な態度で「そこに座って取材すればいい」と上から目線での口調で指示。その場面を間近で見ていた地元記者は「大勢の市民の面前であの態度はない。市民の目となり声となることが職務である記者に対する敬意をまったく感じなかった。大問題だと思いました」とし、担当職員に対して態度を改めるよう申し入れをしたそうです。
こうした市教委の姿勢は、「多くの市民との議論は避けたい」との思惑が透けて見えます。
小中学校の統廃合についての議論の様子は、基本的に公開すべきだと思います。公開することで、議論の過程を多くの市民が知ることができ、関心が高まるからです。小中学校の統廃合は、まち全体で話し合うべき。
皆さんは、どう思いますか?ご意見をお待ちしています。



コメント