網走市教委は網走南ケ丘高校の生徒を難関大学に合格させるため、大手予備校による講習の受講料などの補助金500万円を予算化しました。この補助金はどのように使われるのでしょうか? 私たち「網走の未来を考える会」は先日、詳細資料を入手しました。その内容を紹介します。
世界に挑戦できる教育拠点を構築
私たち「ー考える会」が入手した資料は、南高の進路指導部が作成した「令和8年度『網走南ケ丘高校×⚪︎⚪︎塾(大手予備校)』学習支援事業 募集要項」です。網走市教委は、この事業に対して500万円の補助金を予算化し、南高に拠出されます。
資料では「事業の趣旨」として、以下のように説明しています。
「(事業の趣旨は)本校(南高)と大手予備校が戦略的に連携することで、難関大学等への進学を目指す生徒を強力にバックアップするものです。最新の入試分析と指導ノウハウを活用し、地域に根ざしながら全国・世界の舞台に挑戦できる教育拠点の構築を目指します」
この文章を読んで疑問なのは、「全国・世界の舞台に挑戦できる教育拠点の構築」という点。難関大学に合格することがなぜ、全国・世界に挑戦できる環境づくりにつながるのでしょうか?
「テストでいい点数を取れば世界に挑戦できる」という単純ロジックは”昭和初・中期的”な発想だと思います。なぜかというと、近年の世界で活躍する日本人は「学歴」ではなく、「世界に通用する特別な感性を持っている」ーというケースが多いからです。
言い換えるなら、英検1級に合格しても、他者とのコミュケーションをうまく取れる感性を持っていなければ、簡単に世界の舞台に挑戦することは難しい。難関大学を目指す”だけ”で、「世界に挑戦しよう」と思い描く網走っ子が増えるのかは疑問です。
500万円という多額の補助金を受けたわりには、南高が考える「事業の趣旨」として書かれた文章はパンチが弱い気がします。
一方、網走市の予算関連の資料では、500万円の補助金の目的は「地元高校の魅力づくり」とされ、南高の「世界に挑戦する高校生を育成する」というニュアンスとはちょっと異なります。
20人
南高の資料によると、500万円の補助金を活用した大手予備校による英語と数学のオンライン個別指導講座(自宅受講)を受けられるのは、全日制1年生の10人、2年生10人の計20人。受講期間は8月9日〜来年3月で、指導時間は英語と数学のそれぞれ週1回(1回90分)となっています。
受講料の総額は「1年生44万5780円」「2年生47万1580円」で、このうちの半額ほどが助成金から支出されます。

では、受講する(できる)「20人」はどのように選ばれるのでしょうか?
資料による、「選抜基準」は以下の通りです。
①全統模試の受験:8月22日実施の全統模試を受験すること
②進路意識:国公立大学や難関私立大学への進学を強く希望していること
③部局活動:部・局活動に加入していることが望ましい(必須条件ではありません)
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私たち「ー考える会」は以前から、南高への500万円補助金について疑問を呈してきました。疑問の一つに『難関大学』の基準があります。
選抜基準②では「国公立大学や難関私立大学への進学を強く希望していること」となっています。では、難関私立大学とはどこの大学を指すのでしょうか? 具体的には何も示されていません。
500万円という多額の公金を使うには、明確な理由(目的)が必要です。また、公金を原資とした補助金を使った場合、しっかりとした「費用対効果」の検証が欠かせません。
しかし、難関私立大学がどこの大学かを明確にしていないため、結果的には「どこの私大でもいい」となってしまいかねません。こうした不明確な基準の中で公金500万円を支出していいものなのか、はなはだ疑問です。
もっと突っ込むと、大手予備校のオンライン指導を受けたものの、諸事情により「大学受験そのものをはやめた」となる可能性もゼロではありません。
問題点を整理すると…
私たち「ー考える会」が指摘する問題点は次の通りです。
①500万円の補助金を活用して大手予備校のオンライン指導を受けられるのは「20人」だけ。公平感に欠ける
②「難関私大」とはどこの大学なのか?明確な基準が示されていない
③補助金を活用してオンライン指導を受けたものの、「難関大学を受検しない」、もしくは「大学受検そのものをやめた」といったケースが想定される
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私たち「ー考える会」が最も懸念しているのは、補助金を活用して大学受験に挑もうとする高校生の心情です。もし、今回の補助金が南高生全員を対象としているのならいいのですが….
「進学率を高めることが地元高校の魅力づくりにつながる」ーという”安直なオトナの発想”が、地元の高校生を傷つけないことを願うばかりです。
皆様のご意見をお待ちしております。



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